「道路運送車両の保安基準」*改正に、いち早く対応した環境性能を搭載。
新排出ガス規制適合車
平成10年10月施行
(平成9年運輸省令第22号)
新騒音規制適合車
平成10年10月施行
(平成8年運輸省令第66号)
従来モデルの1/10以下
※当社測定値
「Julio」広報資料
1998年7月、ホンダは、新世代のトレンドを取り入れた、50ccのスクーター『Julio(ジュリオ)』を発表。『Julio』は、軽快な乗り心地とファッション性を両立させたニュー・トレンド・スクーターという位置づけで開発されました。若者が街で自分のスタイルを表現できる、オシャレなアイテム、それがニュー・トレンド・スクーター『Julio』です。
原付バイクは人々の足として時代を問わず愛されてきました。
1958年、ホンダは二輪の国民車的存在である50cc原付バイク「スーパーカブ」を発表。バイクの機動性とスクーターの親しみやすさを盛り込んだ製品として、世界各国で活躍することになりました。
1976年、軽快な原付(50cc)バイク「ホンダ・ロードパル」が誕生。「ラッタッタ」のフレーズでソフィア・ローレンが登場したCM で、誰もが乗れる原付バイクの代名詞として一世を風靡。
さらに1980年にはホンダ初の50ccスクーター「タクト」が登場し、始動が簡単なセル付で、足を揃えて乗ることができる便利なバイクとして、女性のバイク需要を大きく広げました。タクトはスタイリッシュなフォルムながら、大きな収納スペースを有し、その後もメットイン機構を採用するなど、時代を先取りした製品として、人気を博しました。
1988年、ホンダが発表した「ディオ」は、ライフスタイルを表現するスポーティなアイテムとして若者にスクーターブームを起こしました。
現在でも、ディオ・シリーズ(6機種)合計で、年間20万台以上が販売されています。
現在国内での二輪車の出荷数は全メーカー合計で年間約120万台、その7割に当たる約86万台が原付バイク、さらにその内の7割が50ccスクーター(1997年度データ)となっています。ユーザープロフィールを見ると、少子化が進む近年も若者の原付免許取得率は上昇しており(ホンダ調べ)、スクーターは、若者が注目する大きな市場であることがわかります。
ホンダがイタリアン・テイストの50ccスクーター「ジョルノ」を発表したのが1992年。若者の時代感覚を反映した高いファッション性を評価され、「ファッション・スクーター」というカテゴリーを注目させ、広く浸透させました。1996年、ホンダは「ファッション・スクーター」2番目の機種である、アメリカン・テイストの「ジョーカー」を投入し、市場は確実に成長を続けました。この後、各社がこの市場に新製品を投入し、市場はますます活性化。ファッション・スクーターは1998年には国内メーカー各社合計8万台を突破する市場となることが見込まれています。
この結果、近年50ccのスクーターは、フロントフェンダー可動タイプでベーシックスタイルの「タクト」などに代表される「スタンダード系」、「ディオ」などに代表される「スポーツ系」、そして「ジョルノ」などファッション性を重視した「ファッション系」の大きく三つに分かれています。
今や、若者達にとって車やバイクは自己表現グッズの「こだわり」の象徴として定着しています。
また、時代の変化と共に、ファッションに求められるスタイルも変化し、当時流行の最先端といわれた製品が、時代と共に「スタンダード」製品として広く受け入れられるようになってきています。
近年、若者が「原付バイクを選ぶ際に重視する点」として「デザイン」「価格」「色」を上位にあげ、ハード面におけるポイントを大きく上回る傾向があります。スクーターは、便利な移動ツールとしての機能はもちろん、さらにオシャレなアイテムとして、その需要が増え続けています。
こういった市場背景とニーズをふまえ、「ファッション・スクーター」のフロンティアであるホンダが新しい潮流を切り開くべく、1998年7月、とびきりファッショナブルなニュー・トレンド・スクーター『Julio』を誕生させました。『Julio』は次世代のメイン・ストリームとなるスクーターとして、ホンダが自信をもって送り出す作品です。
『Julio』の開発に当たっては、流行に敏感な若者(18~20代前半の男女)をイメージし、ターゲット層の若者を分析しました。その結果、彼らの思考として「無理をしない」「等身大の生活感覚を持っている」「シンプル is ベストと考える」といったキーワードが浮かんできました。周囲に適合しながらも自分の主張を持った、肩ひじを張らない感覚。彼らが感じている「ファッショナブル」とは、「自分なりにTPOに合わせて、様々なファッションを柔軟に工夫すること」「自然体で、自分らしいオシャレをたのしむこと」つまり「自分なりのオシャレ」を表現することでした。
ホンダは、そんな彼らの生活を「マイペース・リラックス」というキーワードとしてとらえ、製品開発を開始しました。走っていても、止まっていてもスタイリッシュさを保ちながら、それでいて気楽にゆったり乗れる「ニュー・トレンド・スクーター」を徹底的に研究。開発に際しては、男性向け、女性向けと性別にこだわることはなく、ユーザーの使い勝手を重視し、乗り慣れた人のみならず、ビギナーにも乗りやすい様々なポイントに配慮しました。
フラットなシート形状と、張り出しを少なくしたサイドのボディ形状は、デザインコンセプトと使い勝手を合致させ、自然で安心感のある足つき性を確保しました。また、ヒップポイントを決めつけない、自由度の高いシートポジションは、男女を問わず足の長い若者でもきゅうくつさを感じさせない気楽に乗れるライディングポジションを実現しています。
どんな服装でも前方からの視線を気にせずゆったり乗れるフロント形状(レッグシールド)。
広々とした足元スペースを確保できる「フルフラット・フロアー」を採用し、自由なライディング・ポジションを確保するとともに、靴を選ばないより自然な感覚で乗車できます。
すっきりシンプルにまとまった、見やすいメーターパネル。速度や燃料の残量などがひと目でわかるうれしい親切設計です。
『Julio』に搭載した「2サイクル単気筒エンジン」は、4月に発売された「ニュータクト」のエンジンをベースとし、『Julio』のコンセプトに合った出力特性としています。
具体的には、
の変更を施し、「おだやかな発進」と、「リニアな加速性能」に重点を置きました。車体との結合部の「エンジンハンガーリンク」には振動を低減するラバーを採用し、快適性を向上させ、マイペース・リラックスで走行できる『Julio』です。
また、ディテールデザインにも配慮し、エンジン・サイドカバーは『Julio』専用デザインにしました。
「フロントサスペンション」は、路面の衝撃をソフトに吸収するトレーリングリンク式を採用。また「エンジンハンガーリンク」の改良やソフトな味つけのリアサスペンションが、優しく軟らかな乗り心地を実現しています。
寒い朝でもスムーズに始動できる「オートチョーク」。補水不要の「メンテナンスフリー・バッテリー」など、快適に使って頂くための装備を採用。
様々な快適性と各部分のデザインを両立させ、1998年7月誕生したニュー・トレンド・スクーター第1号は、7月のデビューにちなみ、スペイン語で7月を意味する『Julio』と命名しました。
『Julio』は、ファッションのトレンドとして注目されている70年代のデザインソースをクロスオーバーさせ、現代風にアレンジしたデザインです。外観は「丸みをおびた四角」を基調とし、曲線を基調としているこれまでのファッション・スクーターとは一線を画した「スタイリッシュ・スクエア・フォルム」。これは最近、時計、靴、サングラスなどにも見られるニュー・スクエア感覚のトレンド・フォルムといえます。
若者のファッション・アイテムとして使われるスクーターとして、自分流にREMIXする感覚を基本としながら次世代のスタンダードとして息の長い製品となるべくフォルムを作っていきました。当初からツートーンのカラーリングをイメージしながら全体のデザインを構築。他のスクーターとの違いを出すことを意識し、街で見かければすぐに『Julio』とわかるような個性を意識しています。
昔の商品の持つ暖かみ、無骨さ、手作り感を持ちながら、新鮮さを感じる、それをスクーターに表現することで、今までのスポーツ系スクーターのもつ「速さ」を追求する流線形のフォルムと一線を画しています。『Julio』は柔らかいラインを基調としながらも、シート、フロアーなど各部で水平なラインを用いています。最も特徴的なのはこれまでにない個性を演出するフロントビュー。のんびり走ることが似合う、見る人を「ほっとさせる」愛嬌のある顔つきです。
『Julio』はどの様なファッションで乗っても似合う、ニュー・トレンド・スクーターです。
「身近な足であるスクーターを考えるデザイナーとして、「若者の足元」には以前より注目していました。開発に着手した当時、靴の形が「丸みをおびた四角」になってきていることに気がつきました。そのフォルムは、ファッショングッズのみならず、ベーシックなものにも使われるようになってきました。人とは違うものを求める、流行に敏感なユーザーに満足していただくためには、全ての商品が新しさを醸し出しながらも定番となることが重要と考えていましたので、新しいデザインコンセプトで、時代感を漂わせるスタイリングをこころがけました。」
「オシャレな若い男女が自分流に『Julio』に乗っている姿が、同世代に共感を呼び、それにあこがれた人々が『Julio』に乗る。ニュー・トレンド・スクーターでありながら、これからのスタンダード・スクーターとして、時代を経ても長く愛着をもって乗り続けてもらえるような、息の長い製品として定着してほしいと願っています。」
ツートーンの『Julio』は、どれも新鮮!3タイプのカラーにホンダ創立50周年特別限定色「モンツァレッド」も用意しました。
フルフェイス型のヘルメットはもちろん、A4サイズのノートも入る、うれしいメットイン・スペース。内部に張られた保護シートは、荷物のキズつきを防ぎます
片手で簡単に操作できるホンダ独自の「ロックイン」機構を装備。直結始動防止回路と併せることで、盗難抑止効果があります
ゆとりの容量6.0Lだから、少し足を延ばしたおでかけにも安心です
ショッピングに便利なコンビニ・フックは、荷物の掛けはずれ防止に効果的なゴム製のフラップ付き
これまでになく、豊富な専用オプションを設定。ユーザーのセンスでカスタマイズが楽しめます
ホンダは企業として早くから環境問題に取り組んでいます。1998年2月発売の「リード」、4月発売の「タクト」に続き、『Julio』も「道路運送車両の保安基準」の改正に先がけて、新排出ガス規制と新騒音規制にいち早く対応。
<環境にやさしいクリーンなエンジン>
『Julio』は、「タクト」と同様の手法で、キャブレターのセッティング変更を施し混合気を薄めに設定することで、燃焼過程で有害物質の低減を図っています。
さらに今回、エアークリーナー内に配置した、エアージェットコントロールシステムを採用することで、ドライバビリティ(運転のしやすさ)の向上に寄与しています。
そして、マフラー内部に酸化触媒装置(メタルキャタライザー)を設ける事で、従来の2サイクルエンジンに比べ排出ガス中の3つの有害物質は、
・炭化水素/HC:3分の1以下
・一酸化炭素/CO:2分の1
・窒素酸化物/NOx:2分の1に低減(当社製品比較値・当社テスト値)
また白煙の少ないきれいな排出ガスとしています。
『Julio』スクーター用語辞典
原付とは、原動機付自転車の略。原付は、排気量で2つの区分けがされている、原付1種(50cc以下。50ccの製品は1種)原付2種(50ccを超え125cc以下)。ここで言う原付バイクは50ccの二輪車を意味し、スクーターをはじめ、スポーツモデルなど全てのカテゴリーを総称したもの。
原動機を座席の下に設け、足を置く床板があり、シートはまたぐのではなく、座る形式のもの。
1976年に発売された50ccバイク。コンパクトな車体やオートマチック機構を採用するなど、取り回しの良さ、扱いやすさに主眼をおいて開発。新たに女性層のユーザーに支持され、ファミリーバイクと言う新ジャンルを生み出した大ヒットモデル。ソフィア・ローレンの「ラッタッタ」のCMは有名。
1980年に発売された50ccスクーター。スタイリッシュなデザインや本格的な装備などで大ヒット。日本にスクーターブームを巻き起こす。その後、1987年に発売したモデルには、シート下にヘルメットが入る「メットインスペース」をいち早く採用するなど、日本のスクーター市場に確固たる位置を形成したロングセラーモデル。
1992年に発売。ホンダのファッション・スクーターの第1号モデル。ファッション・スクーターというカテゴリーを広く浸透させた。イタリアン調のデザインは、若い男女に人気を博している。20才代の女性ユーザーの人気も高いロングセラーモデル。
1996年に発売。ホンダのファッション・スクーターの第2号モデル。低く伸びやかな、堂々としたアメリカンバイクのイメージを取り入れたスタイルは、自己表現のアイテムとして、主に若い男性ユーザーに人気を得ている。
幅広い年齢層を対象としたスクーター。ショッピングやビジネス用途で扱いやすいサイズと機能で、カラーリングも落ち着いた色が多い。ホンダでは、リード、タクトなどがある。
若者向けにスポーティさを強調させたスクーター。フロントからリアまで流れる様なデザインを採用。テール部をはねあげたデザインとするなど、スポーツバイクのイメージを出している。ホンダではディオやディオ ZXがある。
今の若者のトレンドは、自己を無理なく、自然体で表現するファッションがトレンドとしてあげられる。このような新世代の流行、傾向をデザインや機能に反映したスクーター。このカテゴリーには、最近活況を呈してきたファッション・スクーターがある。
またがった時に地面にどの程度足が着くかを表わす。シートが細く、シート高が低い程足つき性は良くなる。
シートの位置。長いシートほど自由度の高い乗車姿勢がとりやすい。
足元のフロントカバー。走行中に泥や風が直接足元に当たらない様な機能がある。スーパーカブなどのビジネス車はこの機能を優先しているが、スクーターでは、フロントマスクを形成する重要なデザインとしての機能も持つ。
足を置くフロアが平らな事。スポーツ系スクーターは、傾斜したものが多いが、スタンダード系、ファッション系はフラットタイプが多い。様々な形状の靴でもきゅうくつさを感じさせない。
振動の事。振動が少ない程、なめらかな走行感覚が得られ、疲れも少ない。しかしながら、大排気量のアメリカンバイクでは、適度な振動がバイクの味として大事にされている。
キャブレターの自動チョーク装置。エンジン始動時にチョーク・バルブ(空気弁)の開き角度を自動的に調整し、適切な混合ガスとすることによって、常に安定したエンジン始動ができる。手動チョークのような引き忘れ、戻し忘れがなく、扱いやすい。
液の補充や点検が、長い期間必要のないバッテリー。
懸架装置。車輪に車体を載せつけるための装置のこと。衝撃の吸収だけでなく、タイヤの接地性など操縦性や安定性など、クルマが走る上で大きな影響を与える重要な機構。
計器盤。
駐車時にセンタースタンドを固定する、ホンダ独自の盗難抑止システム。操作方法は、シート下のメットインスペースにあるロックレバーの操作によって、センタースタンドをロックする。
ヘルメットを車体内部に収納する機能。シート下のメットイン機能は、1987年発売のタクトに最初に採用され、その後スクーターの定番機能として定着している。
ヘルメットの形状のひとつ。顔面が覆われているタイプ。ヘルメットのタイプには、フルフェイスの他に、ジェット型(顔面は覆われていない)や、若者に人気があるハーフキャップ型(おわん形状)などがある。フルフェイスタイプが最も容積が大きい。
車両本体に後付けをするアクセサリーパーツ。より個性を引き立てるアイテムとして、ファッション・スクーターでは需要が高い。
金属製の酸化触媒の事。排出ガスを浄化する機能がある。『Julio』のマフラー内部に搭載している。
一酸化炭素:CO、炭化水素:HC、窒素酸化物:NOxは、人体や環境に有害な影響を与える物質として、広く知られている。
道路運送車両の保安基準が改正され、二輪車では、平成10年10月より、原動機1種(50cc以下)に排出ガス規制が施行される(新型式)。
道路運送車両の保安基準が改正され、二輪車では、平成10年10月より、原動機1種(50cc以下)に新騒音規制が施行される(新型式)。
不完全燃焼やエンジンオイルの燃焼により発生し、マフラーから排出される煙の事。
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