リソースサーキュレーション
取り組みへの想い
Hondaは創業期より、限りある地球資源の消費・廃棄抑制を考え、資源を有効活用しながら、ものづくりを行ってきました。
世界人口の増加と経済発展を背景に、資源需要は伸び続け、多くの資源が消費されることによる資源の枯渇リスクの高まりが予想されています。また、資源採掘には多くのエネルギーが消費されています。こうした大量生産・大量消費型のライフスタイルも社会課題と認識され、循環型経済への転換が求められています。
Hondaは、こうした社会課題を踏まえ、積極的にリサイクル資源を活用しながら、重要鉱物などを含む材料調達の安定化を図るとともに、先進リサイクル技術の研究や循環バリューチェーン構築の働きかけを通じて、CO₂の削減とエネルギー消費の抑制にも貢献し、循環型経済につながるような取り組みを続けていきます。
Hondaのアプローチ
Hondaは、レアメタルなどの資源の入手困難化や枯渇が、製品の生産に必要な材料や部品の調達などに影響を与えることから、事業を継続するうえでも大きなリスクになると考えており、「資源の効率利用」を重要課題の一つとして位置づけています。
地球との共生を考え、限りある地球資源の消費(採掘、廃棄)を抑制し、循環型バリューチェーンへの転換に挑戦します。資源調達や価格高騰のリスクへの備えに加えて、顧客価値の向上とステークホルダーへの貢献や経済価値の創出をめざします。資源調達段階から廃棄段階に至るまでに発生する、資源と廃棄における環境負荷ゼロをめざし、社内外のステークホルダーと協力、連携しながら取り組みを進めています。
製品を軸にしたアプローチ
Hondaは、ものづくりを資源の制約から解放し、お客様にモビリティの価値を提供し続け、新たな喜びを創造するため、2050年に環境負荷のない持続可能な資源(サステナブルマテリアル)使用率100%を目指します。
資源調達から廃棄までの製品ライフサイクルにおいて、使用後すぐに廃棄される大量消費型から循環型への転換に向け、解体・交換のしやすい設計などを取り入れた製品開発や、自社製品・部品を二次利用するなど製品価値の使い切りと拡大を図り、廃棄の抑制と資源の再生に向けた仕組みづくりに挑戦しています。
積極的なリサイクル資源の活用と材料調達の安定化を図ると共に、解体コンソーシアムや製品・資源の高効率な物流など、先進リサイクルを実現する循環バリューチェーンを目指します。その実現に向けて、他社との協業や包括的パートナーシップを締結し、取り組みを進めています。
また、ライフサイクルCO₂の見える化や資源の効率的な利用に必要となる製品・部品の劣化状態把握などを可能にするトレーサビリティーシステムの構築にも注力していきます。
「環境負荷ゼロ」の実現に向けた目標
2030年目標 | 2050年めざす姿 | |||||
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製品リソースサーキュレーション | 社内マイルストーン設定 | サステナブルマテリアル使用率 100% |
企業活動のアプローチ
Hondaは、環境への取り組みに真剣に取り組んでいます。資源の枯渇や廃棄物による環境汚染のリスクを認識し、すべての企業活動において2030年度までに廃棄物の総発生量を14.5%削減することを目標としています。また、水資源についても同様に2030年度までに総取水量を14.5%削減することを目指し、供給リスクや枯渇リスクへの対策を行っています。
廃棄物削減においても、歩留まりの向上による副産物の削減など、3R(Reduce, Reuse, Recycle)の考え方を取り入れた資源削減に努めています。また、バーゼル条約に基づく有害廃棄物の輸出入管理にも従い、環境への負荷を抑える取り組みを行っています。さらに、モントリオール議定書に基づくODS(オゾン層破壊物質)の排出に関する規制に従い、各事業所でODSの使用全廃を目指して努力しています。
「環境負荷ゼロ」の実現に向けた目標
2030年目標 | 2050年めざす姿 | |
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企業活動 廃棄物等総量削減率 (BAU比※) | 14.5% | 工業系廃棄物ゼロ |
企業活動 取水総量削減率(BAU比※) | 14.5% | 工業用取水ゼロ |
BAU:Business as Usualの略。生産計画をもとにした成り行き。