他社に先駆けたケイパビリティ獲得と循環を前提とした事業・製品、革新技術の仕込み
十数年後に来たるビジネス変革効果が発現する時期を見据え、循環型バリューチェーンを構成するためにさまざまなパートナーとの協業を検討しています。
他社に先駆けたケイパビリティ獲得
循環型バリューチェーンを構築するためのケイパビリティを獲得するため、三菱商事株式会社と合弁で「ALTNA(オルタナ)株式会社」を設立しました。
ALTNA株式会社では、スマート充電事業、リパーパス蓄電事業に加えて、HondaのEV車両を用いたリース商品の販売を開始します。リース期間中、バッテリー使用状況のモニタリングを行い、車載利用を終了したバッテリーを回収します。車載利用時からバッテリーの状態を継続的にモニタリングし、得られるデータを基に回収したバッテリーを最大限活用することで、長期的・安定的な運用に結び付けます。車載から定置用まで、バッテリーを長期で利活用することを前提としたリース価格の設定により、EVユーザーの経済的負担の軽減にも貢献します。
また車載から定置用までの利用を終了したバッテリーは、循環型バリューチェーンの実現に向けてリサイクルにつなげていきます。
循環を前提とした事業・製品、革新技術の仕込み
循環を前提とした事業・製品、革新技術の仕込みとして、さまざまな材料・素材や部品を取り扱うメーカーとの取り組みを進めています。樹脂領域での水平リサイクルの実現は経済合理性を成立させることが非常に困難であるため、三菱ケミカル株式会社と北海道自動車処理協同組合とはアクリル樹脂、出光興産株式会社とはプラスチックについて、水平リサイクルに関する実証実験を開始しています。
東レ株式会社とは、共同でナイロン樹脂を分子状態に戻すモノマー化に成功しました。この技術は溶媒に亜臨界水を用いることで、従来の酸触媒の廃液処理が不要となり、短時間に高い収率でバージン材と同等の性能・品質の再生材に転換できます。また反応時間を短縮できことにより、連続式の設備構成を実現し、設備投資額も抑えることが可能です。これにより再生材の提供価格の低減が期待できます。
これからも、低エネルギーでの循環と経済合理性を両立する先進的なリサイクル技術の開発に取り組んでいきます。
三菱ケミカル株式会社
(アクリル樹脂)
東レ株式会社
(ナイロン樹脂)
出光興産株式会社
(プラスチック)