CB Stories
CBシリーズ最大排気量の
フラッグシップモデル
CB1300 SUPER FOUR誕生前夜
1992年、日本で発売となったCB1000 SUPER FOURは、たちまち大型スポーツモデルのファンに高い支持を得ました。
その後750ccを超えるモデルが各社から続々と発売され、ライダーの選択肢が増えていきました。1996年9月には二輪免許制度が改訂、大型二輪免許が指定自動車教習所で取得できるようになったことから、大型排気量モデルへの人気が一層高まりました。
この動きに迅速に対応したHondaは、1997年3月に1300ccの新開発エンジンを搭載したX4を発売。HondaのモデルとしてはGOLD WINGに次ぐ大きな排気量でした。
このX4は、「全く新しいカスタムスポーツの創造」をテーマに、日本専用モデルとして開発されたバイクです。1300ccのエンジンから生み出される力強いトルク感や、足着き性を考慮した低く身構えたような迫力あるスタイリングなどで、大ヒットモデルになりました。
新時代CBに求めた感動性能
一方CBに関してはCB1000 SUPER FOURのモデルチェンジを行うことが決定し、開発チームには、初代CB1000 SUPER FOURとX4の開発メンバーも多く加わりました。
彼らは開発にあたり、「新時代の最高峰を狙うネイキッド・ロードスポーツはどうあるべきか」をテーマに据えました。そして具体的な目標をまとめました。
PROJECT BIG-1を踏襲しながら、さらに「感動性能」と呼ぶ5項目を加えたのです。「感動性能」とは「走る者の心を魅了する」を具現化するために追求した性能です。
- 1. 所有する感動
- 2. 跨った瞬間の感動
- 3. 太い走りの感動
- 4. 余裕の感動
- 5. 操り、征服する感動
これらの目標を実現するために、エンジンはX4に搭載した水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ直列4気筒1300ccに決定しました。
そしてデザイナーが描いたスタイリングは、より力強く、機能美溢れるスポーティなプロポーションになりました。
こうして生み出されたCB1300 SUPER FOURは、CBシリーズとしては最大排気量のフラッグシップモデルになります。開発チームは、それにふさわしい堂々としたスタイリングでありながら、取り回しの良い車体構成やトルク感にあふれるエンジン特性の実現など、高い目標を達成するために精力的に取り組んだのです。
完成したプロトタイプを1997年開催の東京モーターショーに参考出品車として出展しました。会場ではCBファンはもとより、多くのスポーツバイクファンが注目、大勢が発売に高い期待を寄せました。
1998年3月、いよいよ待望のCB1300 SUPER FOUR発売を迎えました。
販売開始から順調なスタートとなり、初年度は年間販売計画台数を上回る約4,600台を達成。
堂々とした迫力あるスタイリングや、大型スポーツバイクならではの操る手応えが好評を得ました。
一方でもう少し取り回しやすい軽量な車体を望む声もありました。そうした要望を受けて、2000年9月に発売したモデルでは、フロントブレーキやリアホイールなど足回りの軽量化を図り、車両重量で5kgの大幅な軽量化を実現しました。
CB1300 SUPER FOURは、次のステージへ
2000年前後の日本市場では、1200ccから1300ccの大型ネイキッド・ロードスポーツが各社から発売され、注目を集めるカテゴリーになりました。
他社は、CB1300 SUPER FOURに比べると軽量でコンパクトな車体設計を行う傾向がありました。そこでHondaの開発チームは、CB1300 SUPER FOURのメイン市場である日本のお客様に向けて、先進の軽量化技術を盛り込んだ新たなCBの開発に向けて歩むことになりました。
2003年、新型CB1300 SUPER FOURの誕生によって、新たなCBストーリーが生まれることになります。